新車バイクのなら試運転は必要か、それとも不要か。
会社はいるけど日本車は不要?答えは人それぞれなんでしょうけれども、私は基本的に最近のバイクは慣らし運転!初期不良がないか10kmくらいゆっくり走れば大丈夫でしょ!という考えです。
根拠はありません!工業製品の精度が上がっている現代ゆえ、ただそう思っているだけです。
なもんで、過去に新車で買ったバイクは3台とも慣らし運転はしませんでした。まぁ急発進もしないし飛ばさないので万年慣らし運転みたいなもんなんですけれども、車も慣らしはしたことがありません。
しかし今回、ハンターカブで初の初の慣らし運転をしたというのが今回のお話です。
ハンターカブCT125と慣らし運転:基本知識
ハンターカブCT125の納車時、バイク屋さんから言われたのは「慣らしどうこうって面倒くさいことは言わないけれども、初回点検くらいまではゆっくりエンジンを回してくださいね」ということでした。
このバイク屋さんで、一昨年マジュエスティSを購入したときも同じような説明をしてくれました。
ただ今回のハンターカブは「正直なところタイのホンダで生産されたバイクは作りが甘いことが多いんですよ。なので、特にはじめは異音なんかを気にして走ってみてくださいね!部品が馴染んでくれば大丈夫ですから!」ということを付け加えられたのです。
なるほど・・・そうですか。
事前にハンターカブの車輪取り付けについて、力任せに締め付けられているからベアリングが上手く機能できずに不具合を生じさせている!というような情報も得ていたので、今回ばかりは慣らし運転ちゃんとやろうかなと思いつつバイク屋さんをあとにしました。
慣らし運転の必要性:なぜ重要なのか?
走り出してすぐに感じたのは「ギアの入りが悪い!というか異様に固い!」ということでした。
なんかこう力いっぱい踏み込まないとギアがあがっていってくれないんですよね。
以前乗っていたリトルカブはカチッ!カチッ!と軽い力でギアを変えられたんですが、これはガチャン!ガチンッ!と強く踏んでようやくギアが変わってくれる感じ。
いやこれがずっと続くだったら不快で嫌だなぁ・・・と思いました。ギアを変えるのが楽しくなくて不快で不安なんですよ。
次に感じたのが「エンジンの回転数がキレイに上がっていかないな」ということです。
これは「遅い!」と感じることにも繋がっているんですが、どうも気持ちよくないんですよ。バイクに乗って爽快に駆け抜ける!というところの真逆にいて、なんか引っかかっていてエンジンが回ってくれないような感覚だったんです。
3つ目が「ブレーキ効かねえ!」です。
これはいわゆるアタリがついていないからでしょうから、しばらく走っていればそのうち効いて来るだろうな!と軽く考えていました。
尚、当方はブレーキのアタリとやらが何なのかは全く理解しておらず、ブレーキバッドが削れて摩擦力が強いところが出てくるんでしょ!?みたいな感覚でやっています。アタリが!アタリが!言うてベテラン風を装っていますが、真相はどうなんでしょうね!?
さて、4つ目が「しばらく乗ったらケツがいてぇ!」を筆頭とする私自身のバイクに対する慣れです。
スクーターから乗り換えたので、後輪ブレーキとギアチェンジ、更に車体剛性の違いも体に違和感を伝えてきます。人がバイクに慣れるというのも慣らし運転の大切な1要素というか、私はむしろこれが一番大事だと思っていますので、慣れるまでは運転もより慎重にやっていかねばなりますまい!
ということで、乗り始めて気になった4つが消えるまで慣らし運転をやっていくことにしました。
慣らし運転の方法:推奨される距離と速度
諸説ありまくりですが、慣らし運転の話になると出てくるのが「1,000km」という距離。これはメーカーや車種によって違うでしょうから、なんでもかんでも1,000kmではないはずです。
私も距離というよりは、はじめに感じた違和感が無くなって馴染んだと感じたときがゴールでいいと思っています。指針がないと動けない!という人は1,000kmを目標に頑張ればいいでしょうけれども、私はそんなに頑張れません!
慣らし運転の速度については、それこそ車種によって全く異なることでしょう!どちらかというとどこまで回転数を抑えるかというのが大切だと思いますが、御存知の通りハンターカブにはタコメーターがないので回転数はわかりません。
エンジン音から感じ取るしかないのです!納車時にバイク屋さんが「こんな感じの音になる前にギアあげてください」と、デモンストレーションしてくれたのですが、これはエンジン音が高音に切り替わる前にという感覚でした。文字では表しようがないんですが、このエンジン音が変わる前にギアを変えていくと平地ではこんな感じです↓
1速:9km/h
2速:18km/h
3速:25km/h
4速:48km/h
おおよそですよ。おおよそ!とにかく1速の守備範囲の狭さに驚いたのと、最高速は50kmまで出したらエンジン音が高音に変わってしまうのでひたすらチンタラ走るしかありません。
パイパスや車の流れが早い幹線道路はキツイですね。田舎道や住宅街をトコトコ走るのが精神衛生上よいです。
ハンターカブに乗り換えて私が感じた違和感、「ギアが入りづらい」「エンジン回転がスムーじゃない」「ブレーキの効きが悪い」「ケツが痛い(乗り手の慣れ」、この4つについてそれぞれどれくらいの距離を乗ったときにそれらが消えたかについて書いていきます。
これは感覚的なものですし、バイクの個体差もあるので一概には言えないところでしょう。あくまで私の場合は!です。
ギアが入りづらい
意外でした。これはアッサリ解消したんです!あれ?なんかカチカチと軽く入るようになったな!と感じてメーターを見たときの表示は20kmちょっと。
交通状況にもよるでしょうから、ひたすら一本道を4速で流していればもっともっと距離は必要だったでしょうね。私は東京→神奈川間の道路で止まったり渋滞にハマったりでそれなりにギアは変えて走っていました。
自宅に着く前にギア入りづらい問題が解消して、とても快適になって嬉しくなったのを覚えています。
エンジン回転がスムーズじゃない
この問題が解消したのはスプロケを変えた後でした。今思えば慣らしが完了してからスプロケ変えればよかったんですが、まぁ仕方ない。
エンジンの引っ掛かりというと大げさですけれども、エンジンが苦しくなさそうに回転数をあげていくなと思ったのは走行距離が200kmを超えたあたりです。
反対に違和感を感じるくらい、ふとした瞬間に「あれ?エンジン変わった?」と思いました。
距離が伸びるほどにエンジン性能があがっていく!という情報を何かで読んだ記憶があったのですが、まさにその一歩目を踏み出した気がしました。
ウォーミングアップが終わったから回してくれていいぜ!相棒!エンジンがそう語りかけてきてくれているような・・・・そこまでは思いませんでしたが、とにかく軽く動いてくれるようになったのです。
はじめは50代のオッサンが短距離走やっている感じだったのが、急に中学生の動きに変わった!というような感覚です。
こういう感覚になるまではエンジンを急激に回さないほうがいい。そりゃそうなのかもしれないな・・・と、しみじみとそう思いました。
ブレーキの効き
これは徐々に改善されてきているような気もしますが、正直なところ700kmほど走った今でもあまり改善していません。
前輪はともかく、後輪ブレーキはキュッと効く感じがなくて、これがハンターカブのブレーキ特性なのかもしれません。
2,000、3,000kmを超えて変わっていくのかもしれませんが、もはやもうそれは慣らしではないのでこのブレーキに合わせた運転をするのが懸命だと思っています。
そもそも60km/hが法定最高速なわけですし、ガンガン効くブレーキを載せる必要がないのでしょうね。乗り換える前のマジェスティSのブレーキがよく効いたことと、その前に乗っていたトリシティが更にブレーキ効きまくりだったので同じ感覚で構えていましたが、ハンターカブのブレーキはこういうもんだ!ということで納得しています。
もちろん止まらなくて危険!ということはなくて前後輪のブレーキをしっかり使えば安全に止まれます。ABSは前輪にしか付いていないのでそこだけ注意。ですね。
ケツが痛い
昨日、慣らし運転について記事書こうかなと思い、ふと思い返したらケツの痛さを感じていないことに気づきました。
はて、いつからだろう・・・
初日はギアの入りが改善した20kmを待たずにもうケツと腰が痛くてムズムズしていたんです。それが今は30km乗っても違和感すらありません。ケツは鍛えられるなんて迷信だと思っていたんですが、これ事実でした。
初めはバイクの違いに戸惑いながら、足の置き場やギアの上げ下げで余計な力があちこちに入っていて、それで各所に痛みが入ったのかもしれませんね。実際に鍛えられたのかもしれませんけれども・・・
痛みがないということをはじめ、ギアチェンジや後輪ブレーキの使い方、加減速もいつの間にか慣れてきていました。意識していなかったので何キロ超えたときにというのは覚えていないですが、現走行距離の700kmを迎える前には私自身がハンターカブに慣れていたと言えるでしょう。
思い返してみると、エンジンが馴染んできた200km前後くらいなのかもしれませんね。あやふやですみません。
はい。慣らし運転を始めに感じた違和感が消えるまでとしたときに、私は200kmを超えたあたりで4つの違和感が消えていました。
ケツの痛みははっきりとは思い出せないですが、大体それくらいです。
エンジンがスムーズに回りだしてからは、回転数もあまり気にせず走っているのですが、その前に「点検とオイル交換」をしてもらっています。
エンジンは金属同士の擦れ合いが生じるので、特に初回は早めに交換をしたほうがいい!というのは昭和の頃からの言い伝えですが、これは恐らく正しくて実施したほうがいいと思っています。
どんなに正確に部品を作っても個体差は生まれるでしょうし、はじめは部品同士の擦れ合う面積が多くて鉄粉も多量に出ることでしょう。
慣らし運転が終わっても、いきなりエンジン全開にするのではなく初回の鉄粉を多量に含んだオイルを交換してからのほうがいいだろうなということで交換してもらいました。
もう1つはボルトなどの緩みがないかの点検です。
これも定期的に点検する必要があるのですが、特にはじめは気になるところです。全開走行するまえに、いや全開走行しなくても初回点検はお忘れなく。
ライダーがバイクに慣れることを含め、慣らし運転を終えてオイル交換点検を済ませる。
ようやくここから本来のハンターカブとの付き合いが始まる!そんな感じで改めてよろしくね!という区切りを作ってくれた慣らし運転でした。