いじって乗って楽しめる!ハンターカブこそが大人のおもちゃの王道・・・かもしれない。

125ccでラクラク峠越え?三国峠を超えたCT125ハンターカブの長距離ツーリング実体験

長距離ツーリング。峠超え。少しだけ構えて望みたくなるこの2工程。

その気になれば自転車で日本一周ができるわけですから、排気量が125ccしかないハンターカブでも”できるかできなか”で言ったらもちろんできます!

ただ、快適さ・大変さはどれほどなのでしょうか・・・1度は体験しておこう!ということでよりによって真夏に慣行してきました。今回はその模様をお伝えします。

神奈川から新潟へ220kmの長距離ツーリング

目的は帰省。

そして実家のガレージでマフラー交換をする!です。自宅から実家までは220kmほど。

220kmは長距離じゃねぇ!というお声もあるかもしれませんが、私にとって125ccバイクは100km・・・いや、50kmを超えたら長距離です。

誰がなんと言おうと長距離!

ということで、最高気温が37度・38度を記録する真夏に神奈川県〜新潟県(実家)に向け、帰省を兼ねて長距離ツーリングを慣行しました。

群馬県〜新潟県境には三国峠があるので、ハンターカブでこの峠超えがどれほどの労力でできるのかが見ものです。

過去にトリシティ125、マジェスティ155でこの峠越えをクリアしたことがあるので、その2車種の時との比較(体感)も楽しみです。

真夏の渋滞地獄!神奈川〜埼玉までの道のり

神奈川の自宅を出発したのが9:30くらい。お盆で夏休みド真ん中のため、都心近辺は人がいなくて渋滞なんかないだろう!と思っていたのが間違いでした。

平日の朝夕と変わらぬほどの大渋滞に捕まり、埼玉県の北部に到達するまでに4時間もかかりました。中央線のラインを越える近辺、混みすぎです。なんでこんなに人間がおるんじゃ・・・

あ、私、ほぼすり抜けしないんですよ。そりゃまぁ4時間かかりますわな。

ここまでの距離は40kmほどなので大した距離ではないのですが、35度超えの灼熱+長袖&プロテクター+渋滞の無風は地獄の所業でした。

今思えばですけれども、「いやー、ハンターカブのハンドル振動は長時間乗っていると手がしびれるな!」なんて思っていましたけれども、群馬あたりで指先が痺れてボーっとしていたのは熱中症の症状だったんでしょうな。

何度も何度も「この挑戦は春秋にやるべきだった」「誰だ!真夏にこんなこと企画したやつは!・・・俺か!」と後悔しながら走行しました。

道のりはほぼ平坦な首都圏の道のりですので、走行自体はひたすら渋滞であるだけで大したトピックスもありません。

暑い。渋滞しんどい!都内車多すぎ!以外の感想が出てこない、日常の走行でした。

本当にしんどかった。

三国峠越えの挑戦!涼しさとトルクのリアル

今回のメインディッシュ、三国峠超え!

渋滞を抜け、群馬県を横断したあとに見えてくる山並み。もう自宅を出てから6時間ほどが経過していました。

空気が変わる境界

峠の手前、月夜のICを通過した直後に空気がひんやりすると感じる境界線があるんです。

明らかに空気が冷たくなるんですよ。これ、車で移動していると「いつの間にか涼しくなったな」くらいなんですけれども、バイクだと冷気の壁を破って涼しい空間に入るみたいな感覚があるんです。

ここまでの道のりが心底しんどいだけに、この境界線を感じるときは「バイクできてよかった!」と思う瞬間です。

峠はまだですが、街中では味わえない雰囲気が広がります。雲行き怪しいですね・・・

三国峠に入ってしばらくは緩やかな登りと平地の組み合わせのため、なんの心配もなく登っていけます。

途中、ローソンがある広い駐車場からダムが見える場所があります。

気温も都心に比べれば涼しく、眺めもよいので休憩ポイントにはちょうどいいのです。

この休憩ポイントを過ぎるといよいよ上り勾配もキツめになってきます。

グイグイ登る!?

私、今回の峠越えに先立ち諸先輩方のハンターカブ峠越えレビューをいくつか見たんです。

皆さん、示し合わせたかのように余裕のトルクで「グイグイ登る!」といったレビューをされていました。

それは本当か!?本当なのか!?

普段から坂に囲まれた地形で生活して”坂慣れ”している私は、この「グイグイ登る!」という情報を疑ってかかっていました。

近所の登坂でも気を使うのに、峠越えの長時間の登り坂・・・ハンターカブだと絶対しんどいだろ!

峠はそこそこキツイ

水曜どうでしょうで、大泉洋さんが50ccカブでこの三国峠超えに挑戦して「全然登らねぇ!」と言っていたのが有名ですが、それに比べたら125ccのハンターカブは余裕があるのは確かだと思います。

しかしですね、キツイことはキツイと思っているんですよ。

この先の赤い橋から見える風景は絶景!ですが、停車するスペースは一切ありません。

水曜どうでしょうでちょっと有名になった(らしい)赤い橋を抜け、いよいよ勾配キツめの登坂へ!

・・・

うん。予想通りソコソコ大変ですよ。

決して登れないわけではなく、もちろん走破できますけれども気を使います。

4速のまま走り抜けるのはほぼ不可能で、3速メインで走らざるを得ないのですが、3速でも厳しくて2速高回転を使うところが3割くらいありました。

2速と3速をこまめに切り替えてなんとか登るといった感じです。

これをトルクに余裕あると表現するかどうかは人それぞれですが、少なくとも私にとっては「ハンターカブでの三国峠越えはギリギリ!エンジンが可哀想!気を使うわ!」でした。

エンジンのことは一切考えず、2速のままガンガン回せばそれはもうパワフルに登りますけれども、そんなこと私はできません・・・

幸いにもこの峠は交通量が少ないので、車に道を譲るのは2〜3回ほどで済み、あまりプレッシャーを感じることはありませんでした。

尚、峠の傾斜はこんな感じです。

【群馬→新潟】
平均勾配 4.5%/最大勾配 38.4%【新潟→群馬】
平均勾配 5.9%/最大勾配 28.7%

そう、新潟→群馬の帰り道は登りが更にキツく、エンジンが可哀想でした。

登りを終えて

峠を登り切ると、三国トンネルが現れます!

右が旧トンネル。左が2022年に開通した新トンネルです。

旧トンネルは狭く路面も悪くてバイク走行が怖かったのですが、新トンネルは快適です。

しかし!!!三国峠はこの先にもいくつかトンネルやスノーシェッド(山から雪が落ちてこないようにトンネルのような屋根が設けられている)があり、これらを通過する際は要注意です!

いずれも天候に関係なく路面が濡れており、カーブに容赦なくマンホールの設置があります。

また、三国トンネル以外のトンネルは通行車道のド真中に深めの溝が一本通っているんです。光量が少なく暗いことと道路幅が狭いことも相まって非常に怖いです!

免許取り立ての方や、運転に自信のない方はこの峠越えは避けたほうがいいかもしれませんね。

以前、トリシティでこのトンネルを超えたときも、三輪を持ってしてもちょっと不安でしたし。

トンネルを抜けると本格的な下りに入ります。

先ほど書いた、あまり通りたくないトンネルなどをいくつか越えると、かつて一世を風靡苗場プリンスホテルとスキー場が見えてきます。

さすがは有名スキー場が連なる地域です!この辺りは10月でもバイクで走ると凍えるほど寒かったりしますので、真夏以外はくどいほど防寒対策をして通過しましょう。

苗場を過ぎれば、あとは楽しい下り道です!急カーブもいくつかありますが、バイクで走るワインディングってやつですね。ここまでの苦難に対するご褒美を楽しめます。

まぁ私はビビリなので下りもちんたら走るんですけれどもね。

そして地元、広大な田んぼが見えてようやくゴールです。

どうにもならない大渋滞を含め、ここまで8時間半もかかりました・・・



峠超えと他のバイクとの比較

心配だったハンターカブでの三国峠超え。なんとか越えての感想を。

また、今回でバイク帰省は3回目だったのですが、過去の2回との比較も記してみます。

とはいえ、データ云々ではなく完全に私の感覚の話ですけれどもね!

トリシティ125

まだ旧三国トンネル時代にトリシティ125で三国峠の帰省をしたことがあります。二輪免許を取って一ヶ月くらいのときだったので、全工程緊張しながら走行していました。

ハンターカブと同じ125ccですが、非常に力強く1度たりともパワー不足を感じるところはありませんでした。

前二輪で車体が重いにも関わらず、登りでも「125ccってこんなにグイグイ登るの?」と驚いた記憶があります。

乗ったことがある方はわかると思いますが、トリシティの安定感は大型バイク以上で一部のトンネル以外は何の不安感もありませんでした。

この安定感とパワーに余裕があった記憶が残っているだけに、今回のハンターカブ峠越えが余計にしんどく感じたのかもしれません。

同じ125ccでもどえらい違いがあるもんです。

マジェスティ155

去年、マジェスティ155で三国峠超えの帰省を。高速道路を使える排気量なので関越トンネルでも良かったのですが、トリシティとの比較もしたかったので峠越えをしてみました。

結果、排気量はこれでもう十分なんじゃないかと思えるほど余裕でした。車重などの差もありますけれども、125ccから30cc、24%ほど排気量が増えただけで体感できるパワーは桁違いです。

免許を取ってから時間が経っているというのもあると思いますが、トリシティ125のときより楽々な峠越えでした!

安定性はトリシティのほうが遥かに上なのは疑いようがないですが、エンジンに余裕があるため気持ち的に疲れづらいのでしょう。

峠道は普通に走れば車よりバイクのほうが速いので、後ろの車を気にすることは一度もなく心に余裕をもって走破できました。

手放してから後悔しましたが、このバイク本当に軽快でいいバイクだったな・・・

長距離・峠越えの感想

真夏の長距離、ハンターカブでの峠越え。

大渋滞と暑さとギリギリパワーの峠越え、とにかく疲れました!

余裕があって快適だったかと言えばNO!

またハンターカブで峠を越えたいかと聞かれたらNO!

です。

人によって捉え方は様々でしょうけれども、私は1回やってみて満足満腹お腹いっぱいです。もうハンターカブで新潟に帰省することはないでしょう(たぶん)

同じ125ccでもトリシティのときは余裕があったので、他のスクータータイプでもそんなに苦労することなく走り抜けられるのではないでしょうか。

もっと大きなバイクであれば更に余裕があるんでしょうね。私、大型バイク免許も取得したので、次は何かしらの大型バイクで峠越え+帰省をしてみます。

あ、そうそう!

もう一つ心配だったケツ痛問題ですが、アレは慣れるもんなんですかね?納車日は2時間くらいで耐えられないほど痛かったのに、今や6時間乗っても「痛いな」くらいで済んでいます。

さすがに8時間半は辛かったし、痛いのは痛いんですけれどもね。それでも耐えぬいたのでケツが慣れたんですね。きっと。